介護療養型医療施設は、誰でも自由に入所できる訳ではない。
入所対象は、要介護1以上の認定を受けている65歳以上の者だ。認知症を患っていたとしても、共同生活を送れる場合は、入所可能だ。但し、伝染病に罹患している、長期間の入院治療を受けなければならないなど、状況によっては入所が難しいケースがある。
入所の可否は、主治医や施設、介護支援専門員による診断や面談を通じて決定する。入所希望者の介護度と健康状態を審査した結果によっては、入所不可の判断が下されることがある。介護職が現場で勤務する際、入所に至るまでのプロセスや利用対象となる条件を把握していなければ問題が起きやすい。資格を取得し働き始めた後も、介護業界のトピックスをチェックした方がいいだろう。
尚、利用者が負担しなければならない費用は、食費、家賃、光熱費などを含んでいる。国の定める基準費用額を参考にし、各施設が設定しているケースが一般的だ。利用者本人と扶養義務のある家族の収入に応じて金額を算定しているものの、経済的負担が増大しやすい。また、入所する部屋のタイプによって金額が異なる。ユニット型の個室が最も高く、多床室が最も安い。月々の利用料金の相場は、約6万円から16万円くらいだ。
介護職として介護療養型医療施設で勤務する折には、一定の金額を利用者が負担していることを認識しておこう。施設の特徴を理解しておくことによって、同僚や利用者と信頼関係を構築しやすくなる。